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BTB溶液









私が中学生の時のお話です。








化学の横田先生はいつも面白い授業をして下さるので
私は化学の授業が大好きでした。







その日の授業は酸性とアルカリ性についての授業でした。
色々な物をBTB溶液で調べました。







BTB溶液とは、中性の時は緑色の液体で、酸性の液体を混ぜると黄色になり
アルカリ性の液体を混ぜると青色に変色するという化学の実験でよく使われる液体です。









塩酸や硫酸、レモンの絞り汁、洗剤…なんだか色々調べました。








私も含めクラスメイト達は、先生の隣にあるスーパーの袋がずっと気になっていました。








横田先生がおもむろにスーパーの袋から何か取り出します。








誰かが言いました
「あ〜っ!先生それポカリスウェットやん!」








横田先生は言いました「君らこの飲み物が酸性かアルカリ性かわかるかー?」







たしか「アルカリイオンサプライ」って宣伝してたので、みんな口々に「アルカリ性だと思いまーす!」
と言ってました。
私もそうだと思いました。







すると横田先生はニヤリと笑い、「じゃあ見とけよ〜実際に調べてみるぞ〜」と言って
ビーカーにBTB溶液を注ぎ、その上へポカリをなみなみと入れたのです。








緑色だったBTB溶液はみるみる黄色に変わって行きました。つまり酸性だったのです。
「えーっ!?なんでー?」「アルカリイオンサプライちゃうやーん!」
口々に皆が言います。






「これはな、最初は酸性やけど、体の中で分解される時にアルカリ性に変わるそうや、
まあ先生が大塚製薬に電話して聞いたから間違いないぞ」と言って先生は笑いました。








この為にわざわざスーパーへ行ったり、製造元に電話して調べていたとは…
ホントに楽しい先生です。







横田先生は言いました
「ハイ、じゃあこれ飲んでみたい人〜!」







生徒たち「え〜!?マジですか〜?」







横田先生「BTB溶液は無害やから飲んでも問題ないで〜!さあ誰か飲んでみーひんかー?」






生徒たち「……………」






その時、一人の生徒が勢い良く手を上げてこう言いました。
「ハイ、ハーイ!先生!僕飲みまーす!」







…どこのクラスにも一人は居るんですよね。
こういう目立ちたがりな奴!















…すいません、それ私です。









横田先生「おっ!河合か、よし!飲んでみ、うまいぞ!」






私はビーカーに入った黄色い液体を一気に飲み干しました。
「ごくごくごくごく…」
心なしか普通のポカリよりマッタリとした味になっている気がしました。
でも美味しかったです。







私は図々しくもこう言いました。
「先生!オカワリ下さーい!」






横田先生は「しゃーないなー、もう一杯だけやぞ」と言って
空になったビーカーにポカリを注いで下さり、その上ご丁寧にBTB溶液も注いでくださいました
もちろんポカリは一気に黄色くなります。






「ごくごくごくごく…ごちそうさまでーす」
私は授業中に皆の前で堂々とジュースを飲んだという快感に酔いしれました。
(ハッキリ言ってアホですね)














…そして翌朝、学校の廊下で横田先生とバッタリ会いました。








私「あ、横田先生!おはようございまーす!昨日はご馳走様でしたー」








横田先生はなぜか半笑いで「あ、河合くんおはよう」とだけ言いました。








横田先生「…………」








私「どうしたんですか?」











横田先生「…実は昨日のBTB溶液な、」









私「え?BTB溶液がどうかしたんですか?」









横田先生「なんか発ガン性物質が入ってたらしいわ、ごめんなー」
     「先生も飲んだから大丈夫やって!そんな顔すんなって!」










「死なばもろとも」って奴ですか先生?w
横田先生は半笑いのままその場を去っていきました。











卒業して数年後、風の噂で横田先生が何処かの高校の先生になったという話を聞きました。
今でも元気に楽しい授業をしてらっしゃるのでしょうか…



                                            

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